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数学の勉強の仕方Part96
6:大学への名無しさん 2007/05/31(木) 20:07:20 ID:Y0WLEaYO0 BE:462803055-S★(508700) [sage] 3.標準的な学習プラン 数学の入試問題を解けるようになるために必要な過程と、使用参考書例は以下の通りです。 (1)教科書レベル A.「教科書」 B.「これでわかる」(文英堂) C.「理解しやすい」(文英堂) D.「白チャート」(数研出版) Bは教科書が分かりづらい人、または、これまでサボっていて、慌てて教科書レベルをやり直そうとしている人向け。 Cは将来難関大学を狙っている1、2年生の先取り学習に適しています。 この他、いわゆる「講義系」と呼ばれる各種シリーズもあります。 (2)入試基礎固めレベル A.「チャート」シリーズ(数研出版) B.「ニューアクション」シリーズ(東京書籍) C.「1対1対応の演習」(東京出版) D.「標準問題精講」(旺文社) いわゆる「網羅系」と呼ばれる類の本をやります。 基礎から入試に向けてじっくり実力養成したい人はAかBをやればよろしい。チャートの色別評価などは別項を参照。 学校の授業を真面目に取り組み、「4STEP」や「クリアー」などの教科書傍用問題集を定期テストに合わせて真面目に 隅々までやってきた人は、CかDをやるといいでしょう。その場合、傍用問題集の中で忘れている部分がないように復習してから 取りかかると効果的。 これらの本は1シリーズだけやれば十分であって、「黄チャート→青チャート」のように"ステップアップ"していく類のものではないので、注意。
7:大学への名無しさん 2007/05/31(木) 20:07:39 ID:Y0WLEaYO0 BE:222145362-S★(508700) [sage] (3)入試標準演習(おおむね下に行くほどレベルが高い) A.「チェック&リピート」(Z会出版) B.「チョイス新標準問題集」(河合出版) C.「良問プラチカ」(河合出版) D.「新数学スタンダード演習」(東京出版) E.「理系数学入試の核心・標準編」(Z会出版) F.「月刊『大学への数学』スタンダード演習」(東京出版) G.「入試頻出これだけ70」(数研出版) H.「新こだわって!国公立ニ次対策問題集」(河合出版) I.「数学1A2B問題総演習」(学研) J.「数学実戦演習」(駿台文庫) 入試標準レベルの問題を「自力で解く」という練習をします。 AとBは比較的易しいので、あまり自信のない人の復習用に。 網羅系参考書をしっかりやった人ならCかDかEをやればよろしい。 網羅系参考書で学んだ知識をフルに使って、できる限り自分で解き進めましょう。 ただし、10分〜15分程度粘っても解き方を思いつかない場合は、解答を読んでかまいません。 もちろん、できなかった問題は復習と反省を忘れずに。 もしこのレベルの本をやっていて、ちっとも自分で解けない、というようだと、網羅系参考書の解法知識が身についていないので、 そっちに戻ってやり直した方が得策でしょう。 (別の言い方をすれば、チャートが身についていない人がプラチカをやっても、やっぱり身につかないまま終わるということです。 頭の使い方を修正するのが先です。) 中堅私立・地方国公立くらいまでなら、このレベルを徹底的にやりこむことが最も重要です。 上位大学でも文系であれば、このレベルが最終目標です。 したがって、この段階では1冊に絞らなくとも、必要に応じて複数の本を選んでやってもいいでしょう。
8:大学への名無しさん 2007/05/31(木) 20:07:59 ID:Y0WLEaYO0 BE:592387384-S★(508700) [sage] (4)上級解法集 A.「微積分基礎の極意」(東京出版) B.「解法の探求2」(東京出版) C.「マスターオブ整数」(東京出版) D.「数学ショートプログラム」(東京出版) E.「解法の探求確率」(東京出版) F.「解法の突破口」(東京出版) 難関大理系志望者や、医学部志望者などは、これらの本で高度な知識やテクニックを学ぶといいでしょう。 一般的な基準からすれば極めてレベルが高い本ばかりなので、(3)までのプロセスをおろそかにしてこれらの本だけをやっても 実力はつかないので注意しましょう。 (5)入試発展演習 A.「やさしい理系数学」(河合出版) B.「月刊『大学への数学』日日の演習など」(東京出版) C.「理系標準問題集・数学」(駿台文庫) D.「大学入試攻略数学問題集」(河合出版) E.「ハイレベル理系数学」(河合出版) F.「新数学演習」(東京出版) G.「理系数学入試の核心・難関大編」(Z会出版) H.「チャート式数学難問集100」(数研出版) I.「最高峰の数学へチャレンジ」(駿台文庫) 難関大理系志望者・医学部志望者などで、数学の実力に磨きをかけたい人向けの本です。 A.「やさ理」E.「ハイ理」F.「新数演」あたりは、上級解法集としての色彩も強いので、 「演習」というよりは「高度な解法を身につける」という用途にも適しています。 C.「理標」G.「核心」も重要解法をひと通り学べます。 BやDは最新の入試問題のみで構成されているので、自分の力を試しながら磨いていく演習に最適です。
9:大学への名無しさん 2007/05/31(木) 20:08:17 ID:Y0WLEaYO0 BE:388754273-S★(508700) [sage] よくある質問 Q.「早く1対1をやりたいのですが」 Q.「早くやさ理をやりたいのですが」 別に無理してやらなくても大丈夫です。それをやらないと大学に受からないなんてことはまったくないし、 それをやったら大学に受かるなんてこともありません。 難関大学の合格者がその本を高く評価している事実はありますが、その人たちはきちんと下積みをして、 基礎的な問題集をしっかりやりこんだ上でその本をやったに違いありません。 あなたがこれまで学校の勉強をしっかりやってきて、4STEP等の問題集を隅々までやりこんだというのであれば、 1対1から受験勉強を始めるのもいいでしょう。 あなたがこれまでチャートなどを終え、プラチカやスタ演などをしっかりやりこんできたのなら、やさ理に挑戦するのもいいでしょう。 そうでないなら、しっかり下積みをしてください。1対1ややさ理があなたを救う魔法の杖になることはありません。 有名な参考書をやれば自分が変われると思うのはやめましょう。 有名な参考書をやらなければ自分は変われないと思うのはやめましょう。 あせらず、先走らず、あなたが今やるべきことをやらないと、落ちますよ。 Q.「〜〜は網羅度が低いのでは」 入試に出現するあらゆる問題パターンを網羅することはどの本にも不可能です。 重要な解法、典型的な頻出問題は、黄チャートあたりに載っているもので十分です。 それ以上の問題については、「知っておかないと、出たら困る」と考えるのはもうやめにしましょう。 知らない知識は、演習をしていく中で出てきたものから覚えていけばいいのです。 そしてできるだけ、「知っている知識の範囲内で何とか解く」という練習を積みましょう。 その方が入試突破のためには実戦的です。 知っている問題が出ることを期待しない方が点数は上がります。 ただし、難関大理系や単科医科大などの志望者は、とりわけ数3分野において、高度な知識が要求される場合もあります。 (あるいは、知らなくても解けるが、知識があると有利になる問題が出ます。) これらの大学の志望者は(4)上級解法集のところで挙げた本や、「やさ理」「ハイ理」などをやるとよいでしょう。
10:大学への名無しさん 2007/05/31(木) 20:08:32 ID:Y0WLEaYO0 BE:740484285-S★(508700) [sage] Q.「〜〜の部分を○○で代用できますか」 Q.「〜〜から○○に直接つなげられますか」 好きなようにしてください。 示された通りのやり方でやらないとうまくいかないというわけではありません。 あなたが一番いいと思う方法でやればいいのです。 やってみてうまくいかなかったら別の方法を考えればいいのです。 一度も失敗も挫折もせずに、楽して成功を勝ち取ろうとばかりするのはやめましょう。 自分で色々と試してみて初めて、うまいやり方が分かってくるのです。 最終的には「教材なんてどれでも大差ない。要は、どういう風にやるかが問題」ですから、 「どの本をやるか」で悩むよりも「どのように頭を働かせるべきか」に集中してください。 1対1をやらなかったら落ちるなんてことはないし、やさ理をやれば受かるなんてこともありません。 評判の良さそうな本を何種類かチェックしておいて、本屋で実際に見比べてみて、 「自分が気に入った本」「続けられそうな本」が一番です。 マイナーな本でも、自分が気に入った本があればそれをやりこめば実力はつきます。 あるいは、「みんなが使ってる本じゃないと不安だ」というのなら、みんなが使ってる本を使えばいいことです。 それがあなたにとって一番やる気の起きる本であるなら、それが一番です。 「理解しやすいじゃなくてシグマトライでもいいですか」→「いいです」 「チャートじゃなくて黒大数でもいいですか?」→「いいです」 「ニューアクじゃなくて解法のテクニックでもいいですか?」→「いいです」 「4STEPじゃなくてサクシードでもいいですか?」→「いいです」 何でもいいので、早く勉強してください。
11:大学への名無しさん 2007/05/31(木) 20:08:50 ID:Y0WLEaYO0 BE:166609433-S★(508700) [sage] その他の質問フォロー。 Q.「入試標準演習のところで、月刊のスタ演は下の方にあるが、そんなに難しくないのでは?」 厳密な難易度順の配列ではありません。メジャーなもの、オススメできるものを上の方にまとめた結果です。 Q.「1対1と標準問題精講のどちらを選ぶか悩んでいるのですが」 標準問題精講の方が基礎から載っているので、基礎を復習しながら入試にも対応していきたいという人にお勧めです。 一方、1対1は基礎がほとんど載っていないので、レベルは高めだと思ってください。 4STEP等の教科書傍用問題集を隅々までマスターしたという人でなければ、ついていけない可能性が高いです。 解答・解説も、標問精講の方は丁寧、1対1はハイレベル、と言えます。 Q.「数Aの平面幾何が難しいのですが、時間をかけてでもしっかりやっておくべきですか?」 今後、入試での出題が増える可能性がありますから、基本的な問題は確実に解けるようにしておくべきです。 しかし図形問題は座標やベクトルを使って解くこともできますから、平面幾何のところがどうしても難しく感じるのなら、 とりあえず基本問題だけで済ませておいてもいいでしょう。 Q.「参考書をレベルアップさせる際、たとえば、これでわかる1A・2B・3C→赤チャート1A・2B・3Cとやるのか、 これでわかる1A→赤チャート1A→これでわかる2B→赤チャート2B→・・・のようにやるのか、 どちらの方がいいですか」 前者です。まずは全範囲の基礎をやり、その後全範囲の標準をやる、という順序でやるのが賢明です。 高校数学の全体像をまずつかむことを目指しましょう。 特に理系の人は、3Cまでをできるだけ早い時期に終わらせておくことが必須です。 のんびりやっていると、十分な練習時間が取れないまま時間切れになってしまいますよ。
12:大学への名無しさん 2007/05/31(木) 20:09:09 ID:Y0WLEaYO0 BE:999653696-S★(508700) [sage] Q.「白チャートは教科書レベル、その他のチャートは網羅系のところに分類されていますが、『白』→『赤』のようにやるのはかまわないのでしょうか?」 かまいません。やるなら、『白』→『青』または『白』→『赤』がいいでしょう。 あるいは、『白』をマスターした後なら、1対1か標準問題精講に進むのも可能です。 チャートシリーズの色別特徴。 『赤』 基礎をさらっとおさらいしつつ、入試上級レベルの知識まで学べる。 例題と練習だけならそれほど難しくはないので、教科書の後に始めることも可能。 関連事項の解説が充実しているので、『青』よりも本質がつかみやすいといえる。 収録問題のパターンは『青』より絞られていて、網羅度は『青』よりもやや低い。 なお、先輩や先生の「赤はやめとけ。青で十分」という発言は、新課程版の現状を知らずになされている可能性が高いので、 「新課程版の赤チャート・青チャートをよく調べられた上でおっしゃっているのですか?」と確認した方がいいかも。 『青』 旧課程からの定評があるため学校や塾で採用されることが多いが、新課程版は問題選定と配列が雑で旧課程版より 出来が悪くなっているという意見が多い。 例題や練習に突如として難しい(or 解答の理解しがたい)問題が出てくることがあるので、 途中でどうしようもなく行き詰まる可能性がある。 網羅度は高く、多種多様な問題パターンが載っているので、解法事典的な価値はある。
13:大学への名無しさん 2007/05/31(木) 20:09:22 ID:Y0WLEaYO0 BE:370242645-S★(508700) [sage] 『黄』 教科書の復習レベルから入試標準レベルまでカバー。 掲載問題は典型的かつ標準的なものばかりで、全問題完璧に覚える価値がある。 東大・京大・一橋を除く文系志望者に最適なレベル。 理系でも苦手な人は下手に『青』に手を出さずに『黄』を確実にこなした方がよい。 『白』 教科書レベルで解説も丁寧。 用語の定義や基本事項の解説から載っているので、まったくの初学者でも使用可能。 例題をすべてやれば教科書の章末問題レベルまでカバーできる。 EXERCISESには入試頻出パターンが多少入っているため、突然難しくなることもあるので 注意。
14:大学への名無しさん 2007/05/31(木) 20:09:37 ID:Y0WLEaYO0 BE:388755037-S★(508700) [sage] Q.「大数の日日演は最新の入試問題ばかりが載っている。最新の問題に限定するということは、 そのジャンルの最良の問題を選んでいるとは言えず、学習にとって効率が悪いのではないか」 過去の大量の問題の中から選びぬかれた良問中の良問というのは、 ポイントがはっきりしていて、1つのアイデア、1つの技法を学ぶのに 効果的ではありますが、その分、いい意味での「泥臭さ」がありません。 実際に入試で出される問題は、1つの解法を学ぶために作られているわけではなくて、 色んな事柄が混ざって出されます。 たとえば、見た目は数列の問題なのに、因数分解や分数計算などの式変形の部分が 妙に大変だったり、ベクトルの問題なのに相加相乗をうまく使わないと解けなかったりします。 そういう問題を演習できるのが、「最新の入試問題」の利点なのです。 入試で出される問題は、どれもエレガントにすっきり解ける問題ばかりではありません。 むしろ、ちまちまとした計算や場合分けが必要だったり、答えの数値が汚かったり、 そういう問題の方が多いです。 ですからそういう問題を練習しておかないと、対処できないわけです。 日日の演習が最新の問題から選ばれているということの意義はそこにあるし、 本来「演習」とはそうあるべきなのです。 ですから、『1対1』や『やさ理』のように精選された「すっきり美しい問題」で"演習"するのは間違っていて、 色々な要素が混ざって出てくる、ある種「美しくない問題」で"演習"するのが効果的です。 そういう問題を解き切れる"解答体力"を身につけないと、最終的な実力は上がらないのです。
15:大学への名無しさん 2007/05/31(木) 20:09:55 ID:Y0WLEaYO0 BE:1166263079-S★(508700) [sage] 学習法・上級編 解法の習得ではなく「実際に自力で解いてみる実戦練習」という目的のためには、 「月刊『大学への数学』日日の演習など」や「大学入試攻略数学問題集」、または「入試問題集」(数研出版)が適しています。 これらの教材の問題を、すぐ答えを見てやり方を覚えようとするのではなくて、 何とか答えが出るまで自力で頭を使って、時間(最低でも20〜30分)をかけて解いてみるのです。 その後、自分がその問題を見てから解答を書き上げるまでにどのような苦労があったかを思い出し、 試行錯誤のデータとして脳にインプットしましょう。 これを繰り返すことで、問題を見てから解答を書き上げるまでの脳の働きのプロセスのパターンが蓄積され、 試行錯誤の処理が高速化すると同時に洗練されていき、徐々に解答能力が上がっていくのを感じるでしょう。 そうするうちに、だんだんと「数学の問題はどのように頭を働かせれば解けるのか」という方法が、 実体験として分かってきます。 いわば、参考書や問題集には書かれていない、自分なりの「解法パターン」ができてきます。 そうなると、「本で覚えた解法を検索して解く」という段階から脱皮して、 「数学の道具を使って自分の頭で解く」ということができるようになってきます。 結局はこの方法も、基礎の学習法のところで書いたことと同じで、 決め手となるのは、試行錯誤の過程をすべて脳の中にリストアップし、体験として意識的に記憶しておくことです。 そして、こういった訓練をするためには、「解法を知っていれば(思いつけば)解ける単問型の問題」よりは、 「基本的な知識を柔軟に運用することが求められる応用問題・複合問題」の方が適しています。 その手の問題は最新の入試問題の中にあふれているというわけです。 (そしておそらくは、本番でもその手の問題に出会うでしょう。) 問題集を色々やってきたけれども、模試や過去問があまり解けない(手はつけられるが完答できない)という人は、 この点を意識して勉強してみるといいでしょう。
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